仏教の年中行事いろいろ

仏教の年中行事いろいろ

春と秋のお彼岸をはじめ、仏教にまつわる代表的な年中行事のご説明と、
その時期に飾るお花のご提案です。
※時期は地域の文化により異なりますのでご注意ください。


春のお彼岸  3月17日〜3月23日ごろ

 春分の日を「お中日」として、その前後3日間ずつの計7日間が春のお彼岸です。この「彼岸」とは、本来、世の迷いにみちた此の岸を渡った、悟りの彼の岸のことをいいますが、浄土信仰がさかんになってからは、仏様のいる極楽浄土のことをさすようになりました。極楽浄土は、西の方角にあると経典に書かれていたため、太陽がちょうど真西にしずむ春分や秋分の前後に、亡くなった人を供養するお彼岸の行事が始められたようです。家庭では、ぼた餅を作って、お花とともに仏壇にお供えし、お墓参りをします。季節の花として、仏花にサクラやナノハナを入れると明るい春の雰囲気が増すことでしょう。


 

花祭り   4月8日

 4月8日は、お釈迦様の誕生日です。お寺では誕生時の姿をあらわした仏様の像に、甘茶を注いでお祝いするので、潅仏会(かんぶつえ)といいます。甘茶は、お釈迦様の誕生のときに、天から竜が甘い露を降らせたことに由来するといわれます。また、この日は色とりどりの花で飾られた花御堂(はなみどう)に仏様の像を置くことから、花祭り(はなまつり)の名でも広く知られています。花御堂を飾る花は特定されていませんので、仏花にもチューリップやハイビスカスなどあざやかな彩りの花を加えてお祝いしてはいかがでしょうか。


 

お盆   8月13日〜8月16日ごろ

 お盆は、もともと仏様の弟子のひとり目連(もくれん)が、餓鬼道(がきどう)に堕ちて苦しんでいる亡き母を救うために、仏様にみちびかれて供養したことに始まるといわれます。インドから中国をへて日本へ渡るうちに、父母の霊や先祖の霊をお迎えして供養する大切な行事となりました。旧暦の7月13日に迎え火をたいて祖先の霊を迎え、15日に送り火をたいて霊を送り出します。ちなみに、お盆に飾るキュウリの馬とナスの牛は祖先の霊の乗り物で、馬に乗って早く家へ帰って来て、牛に乗ってゆっくりと戻って欲しいという願いがこめられています。仏花には、夏の風物詩であるホオズキやキキョウなどをくわえると、季節感がアップすることでしょう。


 

秋のお彼岸   9月20日〜26日ごろ

 秋分の日をお中日として、その前後3日間ずつの計7日間が秋のお彼岸で、春のお彼岸と同じ起源です。このときお供えに作られるお菓子は春のぼた餅と同じものですが、お萩(おはぎ)と呼ばれます。秋の七草のひとつの萩に由来するといわれます。「暑さ寒さも彼岸まで」のことわざが示すように、お彼岸は季節の変わる目安として日本人の生活の指標になってきました。秋のお彼岸は、実りの季節でもあります。仏花には、「秋桜」とも呼ばれるコスモスとともに、収穫を祝うイナホやカキ、クリなどを入れてアレンジしてみるのもいいでしょう。


 

お正月   1月1日〜7日ごろ

 正月は、本来、お家にその年の豊穣をつかさどる「歳神様」(としがみさま)をお迎えし祝う、神道の行事で、仏教の伝来よりも古くから行われていたといわれます。嬉しいことが重なると、「盆と正月が一度にやってきた」と言うように、お盆とともに日本の代表的な年中行事です。1月1日から3日までを三が日、7日(あるいは15日)までを松の内と呼び、この期間を「正月」と言います。お正月には、年末にお掃除された仏壇に、鏡餅とともに、マツやナンテン、センリョウなどをあしらったお花を供えするとよいでしょう。


 

祥月命日(しょうつきめいにち)と月命日

 一周忌(いっしゅうき)以降の、故人の亡くなった月日(命日)と同じ月日のことです。「祥」という字は、「さいわい」とも読み、凶服を去って、吉服になるという意味でつけられています。死者を神として祭ることから「めでたい」ともされています。また、毎月の命日と同じ日を月命日(月忌)といいます。5月1日に亡くなられた場合、毎月1日が月命日で、毎年5月1日が祥月命日となります。一周忌、三回忌、七回忌…などの年忌法要は、この祥月命日におこなわれ、親族などを呼んで、法要の儀式を行います。祥月命日・月命日には、故人の好物と一緒に、季節の花や故人の愛した花などを飾って供養しましょう。


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