市場規模など各種データ

市場の規模など各種データ

供花をとりまく市場のデータ。その一部をここにご紹介します

 

 

 

大きくなる葬祭市場と小さくなる葬儀

わが国の人口の急激な高齢化のために葬儀の件数は増えている。また、これからも増えてゆくことが予想される。しかし、徐々にサイズは小さくなる傾向がある。国内の景気や葬儀への意識の変化にともなって、法人では社葬や大型葬儀は減り、より小規模な「お別れ会」が増え、また個人では、近親者だけでとりおこなう「家族葬」が全体の8割を占めるようになって、全般的にサイズが小さくなる傾向にあるといえる。
しかし、サイズは変わっても、手向ける花の必要性には変わりはない。そのため供花の市場は微増基調ながら拡大傾向にあるといえる。

 

 


 

 

 

今日の生花市場

お盆の時期は仏花の需要が高くなるため、従来であれば切り花の消費がたいへん多くなる時ですが、今日、地域によっては、生花の消費が少なくなっている。特に南九州や四国、静岡、千葉などが目立って少ない。これらは、すべて温暖なエリアで、夏場には気温が高くなる地域。お盆の時期は、夏の暑さの盛りであるため、生花は花が色褪せたり、枯れたり、水が腐ったりしやすいという事が、生花の消費を減らしている主な理由と考えられる。昨今の地球規模の温暖化が、この傾向にいっそう拍車をかけているようだ。

 

 


 

 

地域差にみる供花に造花をつかう理由

近年、供花に造花をつかうことが増えてきているが、それは、生花の消費の少ない地域と重なることが多い。九州など気温の高い地域の需要が多くみられる。また、ここには文化・風習の違いもあるようだ。九州などでは、お墓を豪華で明るい色の花で飾ることを好む傾向があるが、造花ならば、季節にかかわらず色の鮮やかな花をあつらえることは容易にできる。また、花の色が暑さですぐに褪せることを心配しなくてもよい。

 

北海道や中部地方などの生花需要が比較的高いエリアでも造花の消費は高くなっている。温度の低い北海道は、生花の持ちはよいが、手に入りにくく高価になりがちといえる。だが、ここには供花をとりまく状況や、利用者の造花に対する意識の変化の影響も無視することはできないだろう。

 

 


 

 

 

生花の伸び率と造花の伸び率

平成14年からの23年までの農林水産省統計部の累年データによると、ここ10年間の切花の菊の出荷量は、1年ごとに確実に減る傾向にある。農業の後継者問題は、花卉の生産者においても例外ではない。菊の出荷量と共に、作付面積も同様に減ってきているのである。

しかし、造花の菊の場合、出荷量は徐々に増してきている。造花の利用者は確実に増加の傾向にあるといえるだろう。また、生産拠点を海外に移したため、廉価で安定した生産体制も確立されているようだ。そのため生産も年ごとに増産を続けている。

 

 


 

 

 

変わってゆく墓石の好み

約300の墓石業者で構成する一般社団法人、全国優良石材店の会がまとめた2013年の墓購入者のアンケート調査によると、墓石の平均購入価格は、12年比で4%増の167万8000円となり、2年ぶりに前年実績を上回った。墓石の色や材質への強いこだわりが見られるという。また、墓石の形では、縦長の和型の占める割合は、41.7%となり、この10年間で24.8ポイント低下した。その一方で、横長の洋型は39.8%と17.1ポイント上昇。好きな言葉を彫るなどのデザイン型も11.4%と2倍近くに増えている。墓石の変化にともなって、求められる供花も変わってゆくことが予想される。縦長の和型と比べると、横長の洋型の墓石は花を飾るスペースがより広くなるので、大型の花を飾ったほうが、全体的なバランスと見栄えが良くなる。このため従来よりもボリュームのある組み花が求められるだろう。また、墓石の形状だけでなく、色や材質にもマッチした、新しい墓前用のフラワーデザインも需要が増すと思われる。

 

 


 

 

 

利用者の意識の変化

利用者の造花に対する意識の変化としては、「生花か造花は問題ではなく、大切なのは、手向ける心であり、またお墓をいつもきれいにしておきたい気持ち」、という感覚が生まれてきているということだろう。インターネットの質問箱に、「供花を造花にしてよいか?」という質問が多く寄せられているが、ベストアンサーの約7割には、「生花か造花は問題ではない」や、「臨機応変に造花と生花を使うこと」が選ばれている。こういった質問の背景には、経済的な理由や遠距離などのために、造花を使いたいが、無礼にあたるのではないかという懸念があると思われる。この種の懸念をもつ者は、潜在的な造花の利用者ともいえるだろう。また、生花は、どうしても20〜30パーセントのロスが出ることから、ロスのでない造花の導入を考えるようになってきている店舗もある。

 

墓地の調査の結果

 


 

 

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